FPちゃんねる

寒いとこ在住のファイナンシャルプランナーです。FPならではの「年金&保険&税金&金融&不動産&相続贈与事業承継」がからんだことをブログにしてみます。

【空き家を撤去すると固定資産税が6倍は間違い】計算してみよう

f:id:fpchannelblog:20190806161311p:plain

空き家問題の大きなひとつに建物を撤去すると固定資産税が6倍高くなると言われていることがあると思う。

6倍と言われている原因と実際に計算して6倍なのかの検証をしてみよう。

計算すると6倍にはならないんだなこれが。

 

空き家問題をほけんROOMさんにて記事にしています。

hoken-room.jp


 

【空き家を撤去すると固定資産税が6倍は間違い】計算してみよう

6倍っていう数字はどこからきているのか?まずは言われている原因について。

6倍っていうのは固定資産税の住宅用地の特例からきている

固定資産税は土地や家屋をもっているとかかってくる税金で1月1日付けで各自治体の固定資産税台帳に所有者として登録されている人に請求される。

課税標準額×1.4%(標準税率)=固定資産税額

 税率は標準税率だから各自治体で異なる場合がある。

課税標準が土地で30万円、家屋で20万円に満たない場合は請求されない。

 

固定資産税と一緒に課税されるのが都市計画税

原則市街化区域の土地建物の所有者に請求される。

市街化区域とはざっくりと、建物を建てていい区域。建物を建てていいところと建てちゃいけないとこは決まっていて、インフラを整備し、計画的に街並みを作るように定められているんですね。

課税標準額×0.3%=都市計画税額

 こちらも税率は各自治体で異なる場合がある。

 

厳密には土地の計算には負担水準も計算式に入るのですが、負担水準を説明すると1時間はかかってしまいそうなので割愛。

 

 

住宅用地の固定資産税の特例とは

税率がわかったところで、「固定資産税の特例」を説明しよう。

簡単にいうと住宅が建っていると固定資産税が安くなっちゃう特例。

どのくらい安くなるのかは下記の図をご覧ください。

 

区分 固定資産税 都市計画税
小規模住宅用地 住戸1戸につき200㎡まで 課税標準×1/6 課税標準×1/3
一般住宅用地 住戸1戸につき200㎡を超えた部分 課税標準×1/3 課税標準×2/3

 出ました!この1/6!

これが6倍といわれている根拠

 

200㎡=60.5坪で、この大きさに収まってしまう土地に住んでいる方は多いのではないでしょうか?住居のランニングコスト抑えたいなら200㎡に抑えるといいともいえる。

 

実際に6倍になるのか計算しよう

建物解体して更地にした場合の事例を上げて実際はどのくらい高くなるの?

 

自分で確認しながら計算するには毎年送られてくる課税明細書をみてみよう。

下記は東京都の課税明細書。

f:id:fpchannelblog:20190528203019p:plain

価格が固定資産税評価額で、固定課税標準額が軽減措置後の固定資産税課税標準額。
同じく、都市課税標準額が軽減措置後の都市計画税課税標準額。

 

事例を上げて計算してみよう。

 

◇事例1(建物あるパターン)

土地(200㎡)の課税標準額1,500万円

建物の課税標準額700万円

 

土地の計算

1,500万円×1/6×1.4%+1,500万円×1/3×0.3%≒5.0万円

 

家の計算

700万円×1.4%+700万円×0.3%=11.9万円

 

合計  約169,000円

 事例1の建物を撤去すると下記のとおり。

◇事例1の建物を撤去した税金の計算

土地の計算

1,500万円×1.4%+1,500万円×0.3%=255,000円

 

建物は0円

 

合計 255,000円

 確かに、土地だけ見ると5.1倍になってるけど、建物の固定資産税が0円になるから合計額だけいうと1.5倍位。

 

事例1の計算は土地も建物も少々評価額が高いパターンだけど、更地にして高く売れるいらない土地ならば、売ってしまう方も多いと思うので、評価が低いパターンも計算してみよう。

 

事例2

土地(200㎡)課税標準額800万円

築30年の木造建物の課税標準額300万円

 

土地の計算

800万円×1/6×1.4%+800万円×1/3×0.3%≒2.66万円

 

建物の計算

300万円×1.4%+300万円×0.3%=5.1万

 

合計 約77,600円

 事例2の建物を撤去すると下記のとおり。

事例2の建物を撤去した税金の計算

800万円×1.4%+800万円×0.3%=13.6万円

 

建物は0円

 

合計 136,000円

事例2だと固定資産税は1.75倍の支払いになる。

 

事例1&2からわかる通り、固定資産税の支払額としては6倍にはならないことがわかるだろうか。

 

固定資産税の支払いが6倍にはならなかったけど高くはなるよね

高くなることは確かだっていうことはわかった。

 

更地にするには解体費用もかかるため、結局そのままにした方がいいんじゃない?と考えるのは申し訳ないが短期的な考え方。

 

例えば相続登記を色々な理由でしていない場合でほっといている場合、登記をしていなくとも共有状態になっている。共有状態ということはそれぞれに管理責任がある。

 

街中にある空き家をほっとくと、周囲に迷惑がかかりいずれは「特定空き家」に指定されることもありうる。

 

「特定空き家」に指定されるとどうなるのかというと、強制的に撤去されて、撤去費用を請求される。つまり税金で撤去されるわけだけど、税金を使ったということは払わないでいると財産の差押えが起こるわけで。

お金を回収される上で一番恐ろしい相手は国。

給与の差押も、いとも簡単にやられちゃう。

 

特定空き家まで指定されなくても、家の落下物で通行人がケガを負ったら?損害賠償請求されるかもしれない。

 

じゃあどうしたらいいだろうかという話なんだけど、売れる土地ならば早く売るのをオススメする。

 

なお、売る時の制度などは過去ブログにしております。

www.fpchanne.com

 

 

 私、空き家相談員も登録しております。