FPちゃんねる

寒いとこ在住のファイナンシャルプランナーです。FPならではの「年金&保険&税金&金融&不動産&相続贈与事業承継」がからんだことをブログにしてみます。

空き家と相続、その対策

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建築関連の構造的問題から、少子化、都市部への移住、家庭内の都合など日本に空き家が増えて問題になっています。政府や自治体の対応、空き家ビジネスの現状など空き家に関することをほけんROOMさんで記事を書かせて頂きました。

あまりに長くなるなーと思って記事に載せきれなかった譲渡による税金は今回のブログにしてみます。

 

 

不動産業界から見た空き家問題の現状と対策、相続も考えてみる

ほけんROOMさんで記事を書かせて頂きました

空き家の対策、空き家を所有することになる相続の生前対策をまとめています。

政府のデータや具体的な相談方法も載せています。

hoken-room.jp

 

不動産を売った時の税金

不動産を売った時の税金ですが、売却によって利益が出ると誰がどれくらいの期間保有していたかで税金の種類や課税内容が違います。個人が不動産を売ると譲渡所得に対する所得税住民税が発生します。今回は「個人」が「居住用」不動産を売った時の税金の話であり、空き家にからめるので「5年以上所有」していることを前提で進めます。

課税される計算式は以下の通りです。

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  • 取得費=土地価額、減価償却後の建物価額、購入の際の仲介手数料、不動産取得税、登録免許税、登録手数料など(実際の取得費が不明の場合、譲渡価額の5%となる)
  • 譲渡費用=売却の際の仲介手数料、測量費、広告費、印紙代、解体費用など
  • 特別控除=3,000万円の特別控除など

先祖代々の土地だからと取得費がわからない方もたくさんいるかと思います。書類が残っていない場合、取得費を出すことは難しく、ほとんどの場合譲渡価額の5%で計算しています。これから住宅を購入しようとされる方は自分の為、そして子孫の為にボロボロになろうが書類を保管しましょう。

 

課税長期譲渡所得(所有期間5年超)にかかる税金は課税所得金額に一律20%(所得税15%、住民税5%)の税率になります。復興特別所得税として所得税額の2.1%が別途かかります。

国税庁の長期譲渡所得の税額の計算https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3208.htm

居住用財産の特別控除と軽減税率とは

親を呼びよせたから実家が空き家になった、施設に入所したから空き家になった場合、今まで居住してたので居住用財産として特別控除と軽減税率があります。 

 

居住用財産とは

次のいずれかの家屋、敷地の譲渡に適用されます。

  1. 自己の居住している家屋
  2. 居住しなくなった日から3年を経過した年の12月31日までに譲渡した家屋
  3. 居住用家屋とともに敷地を譲渡した場合
  4. 災害により滅失した居住用家屋の敷地で居住されなくなった日から3年を経過した12月31日までに譲渡されたもの
  5. 居住用家屋の譲渡で、その土地の譲渡契約がその家屋を取り壊した日から1年以内に終結され、かつ、その家屋に居住しなくなった日から3年を経過した年の12月31日までに譲渡したもの(貸付していないこと)

※ただし、親族など特別関係の相手には使えません。

5を説明すると、建物が古すぎて売れないなどの場合、通常の売買では更地可で売出し、売買契約を終結後、買主のローン審査が通過してから解体を始めます。その後土地引渡時の決済金で解体業者に解体費用を支払います。取り壊したものの1年以内に売れなかったよとか解体費用捻出出来ないよの心配はありません。解体費用より土地代が安い場合は赤字になりますが…。

 

居住用財産の特別控除

3,000万円の特別控除がうけられます。つまり譲渡益3,000万円までは税金がかかりません。

 

軽減税率

所有期間が譲渡した年の1月1日で10年を超える場合には税率が軽減されます。

3,000万円の特別控除とセットで併用することができます

  • 3,000万円特別控除後の譲渡所得の内6,000万円以下の部分14%(所得税10%、住民税4%)
  • 3,000万円特別控除後の譲渡所得の内6,000万円を超える部分20%(所得税15%、住民税5%

復興特別所得税として、所得税額の2.1%が別途かかります。

国税庁のマイホームを売った時の軽減税率の特例https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3305.htm

 

相続空き家の特別控除の特例

 こちらは相続により空き家になった場合の特例です。居住用財産の特別控除と同じく3,000万円の特別控除があります。

 相続開始の直前にご両親等の居住用になっていた場合の土地と建物において、取得した相続人に適用されます。適用要件は以下の通りです。

  • 昭和56年5月31日以前に建築されたもの(区分所有ではない)
  • 被相続人が一人で居住
  • 相続から売却まで貸付、居住、事業に使っていない
  • 売却代金の合計額が1億円以下
  • 取得相続人が耐震リフォームまたは解体して売却
  • 相続開始から3年後の12月31日までに売却

 

 空き家売却予定なら早めの判断をする

 特例を適用させるには確定申告が必要です。3,000万円の利益が出なかったから税金発生しないよねーと思ってはいけません。申告して初めて適用されます。申告しない=特例使わないと判断されちゃうんですね。

 

 特例を適用させるには3年後の12月31日がキーワードになっていることがわかるでしょうか。放置していると適用期間が過ぎてしまい余計な税金を払うハメになるので、空き家を所有して売却をすると決めているならば早めに決断をした方がいいのです。

 

生前施設に入居した場合相続税もからめてシュミレーションすると、生前売却か相続後売却どちらが節税になるか各個人の資産状況や家庭事情によります。不動産資産価値の変動もからむので専門家に相談しましょう。

 

空き家の売却以外の活用方法はほけんROOMさんにて記事にしました。